復活
6月23日(金) 曇

身ぐるみはがされてから3週間
ハルニレに若葉がふたたび芽吹く
このエネルギーを分けてもらおう
そして私もまた立ち上がろう
姑息なやり方で何をしようと
あなたが私と同じ地平に立つことなど
どのみち無理なのだから
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6月23日(金) 曇

身ぐるみはがされてから3週間
ハルニレに若葉がふたたび芽吹く
このエネルギーを分けてもらおう
そして私もまた立ち上がろう
姑息なやり方で何をしようと
あなたが私と同じ地平に立つことなど
どのみち無理なのだから
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4月1日(土) 晴

エゴノキの枝々に
春の小さな希望が灯る
エゴノキ
Styrax japonica エゴノキ科
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2月10日(金) 晴

ねむれない夜は
ひつじを数えてごらん
きっと ふわふわぽかぽかと
おひさまの夢がみられるから
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受粉の終わったシロツメクサで
次に飛び立つ準備中
後ろ足がお行儀悪いよ
Lycaena phlaeas daimio シジミチョウ科
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綿菓子のような花をつけていたサワフタギで
少し毒々しくポップな出で立ちで
葉を食い散らかしていたのが
すっかり大人になって
サワフタギの実が成る頃にはご覧の通り
からだにも羽にも
深い青の鱗粉を美しく纏っている
私にとっては
「魔笛」の夜の女王がこんなイメージ
Chalcosia remota yaeyamana マダラガ科
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きゅうにカノコガが目につきだした
林縁をちらちらと舞い飛ぶ
あっちこっちでラブラブ光線
Amata fortunei カノコガ科
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羽化したては
こんなにくしゃくしゃで
あやうい
2時間後
ぴんとのびた美しい翅で
ふわりと翔んだ
Papilio machaon アゲハチョウ科
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きょうだいそろって後ずさりしながら
食草のヘクソカズラをもりもり食べる
食べながら、うんちをぽろり
このまま5匹いっぺんに
葉柄のところまで到達したら
いったいどんなことになるんだろう
いもむしはチョウかガになると思ったら大間違いで
ハバチの仲間はご幼少のみぎりにはこんな風貌
1年くらい前
公園の手すりにいたキミたちの先輩に、私は
「大人になったら何になりたいの?」
と、たずねたのだっけ
Nesotaxonus flavescens ハバチ科
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何やら視線を感じて振り返ると
クワの葉陰から誰かがこちらを見ている
アリグモは、アリに擬態したハエトリグモの仲間で
オスと違ってメスには
顔の前に張り出した大きなあごがないので
「アリ度」高し
行こうか戻ろうか逡巡したあげく
やっぱり私のことが気になるのか
しばし見つめ合ってしまった

上から見るとこんなふうに、前足が触角のよう
クモなのに頭、胸、腹と3分割なのは、なぜ?
と思ったら
くびれているだけで頭と胸はひとつなのだった
Myrmarachne japonica ハエトリグモ科
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ジャガイモの葉のうわっつらだけかじる
食べられたところは茶色の網状になって残る
ジャガイモの葉を食べるのは
ニジュウヤホシテントウとか
オオニジュウヤホシテントウだと思っていたら
ヤマトアザミテントウにも
ジャガイモを正常な食草にするものがあるらしい
東京西郊型エピラクナというのだそうだ
ただ、本によっては、東京西郊型でなくても
ジャガイモを食べるとするものもあるらしくて
私には、このテントウムシがどちらなのか
よくわからないのだけれど
Epilachna niponica テントウムシ科
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強い風がびゅんびゅん吹くけれど
負けずにしっかりふんばる
昼間はこんなふうに、葉の裏でじっとしていて
夕方になると樹木のこずえを飛び回るのだそうだ
学名に「日本」がつくと
ちょっと応援したくなるのは、なぜ?
Japonica lutea シジミチョウ科
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雑木林へつづく遊歩道でちらちら飛ぶ
表翅の明るい藤色がちらり、ちらり
Celastrina argiolus シジミチョウ科
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カツオゾウムシと同じく
最初は
落ちやすい赤褐色の粉がついているのだそうだ
幼虫の食草は
ヨモギやアザミなどのキク科の植物らしい
この個体はヨモギの葉先にいた
Lixus acutipennis ゾウムシ科
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草むらの足元に祈るような姿
そう、覚悟を決めて祈るしかないのだ
こんな状態になってしまったら
もう逃げも隠れもできないのだから
前の日に見つけたキアゲハの幼虫は
この日の朝も何かに祈りをささげていた
それから4時間後
もういちど見に行ったときには
もうさなぎになっていた

キアゲハはさなぎになってから
10日前後で羽化するとのこと
彼(彼女)の祈りが
最後まで通じていますように
Papilio machaon アゲハチョウ科
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こんなふうにマクロで迫ると
なんだか別の生き物のよう
でも、ひなたぼっこのステージは
直径たかだか10センチほどの
ごくごく普通の杭
名前にヘビとついているけれど
りっぱなトカゲの仲間
Takydromus tachydromoides カナヘビ科
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つやつやの背中に
雨上がりの空と
私のシルエットが写る
これは2つ星プラスアルファだけれど
斑紋については
バリエーションがいろいろなのだそうだ
Harmonia axyridis テントウムシ科
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こうやって近づいてみると可憐なのに
「掃き溜め菊」などという哀れな名前を
いったい誰がつけたのか
いや、命名者が「例のあの方」だということは
もちろんわかっているのだけれど
5月末から6月はじめに咲き始め
11月までずっと咲いている
花期の長い植物
Galinsoga ciliata キク科コゴメギク属
(帰化植物)
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コハコベが終わる頃に咲き出して
今もまだ、さかんに咲いている
大きな葉に5本の花柱が目印
(他のハコベ類の花柱は3本)
Stellaria awuatica ナデシコ科ハコベ属
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体についている橙色の粉は
かんたんにはがれてしまうようで
黒い個体がよく見つかる
じゃあ、この鮮やかな粉は何のため?
弁護士のひまわりバッジの金メッキのように
はげてきたら一人前ということかしら
Lixus impressiventris ゾウムシ科
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ノイバラで何やら物色中
バラゾウムシの別名で知られる
バラ愛好家たちの嫌われ者
Auletobius uniformis チョッキリゾウムシ科
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6月1日(水) 晴のち曇

見事に気分転換を果たし、すっきり晴れ上がった空の下で
カルガモが、丹念に、丹念に、羽繕いをする
その姿に、ろくに身繕いもしないまま出てきた我が身を省みる
雑木林のガビチョウの囀りが、近ごろとくに騒々しい
ガビチョウというのは、中国からやってきた移入鳥で
飼育下にあったものたちが野生化して、最近は
各地の里山的森林の最優占種となっているらしい
その昔、人々を魅了した、大きなよく通る声で
さまざまな鳥たちをまねて囀り続ける
自らの繁殖期とは関係なく一年中囀り続けるという話もあって
それが、他の野鳥の囀りをかき消し
結果として繁殖を妨げているらしいのだ
「美しい」「大きな」声で延々と続く囀りを聞いていたら
さまざまな「正論」で世界を威圧し撹乱し続ける
現代の帝国主義的国家のことが頭に浮かんだ
青空の下で美しく鳥がさえずっているという
ただそれだけの
気持ちのよい朝だったはずなのだけれど
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うすぐらい雑木林の林床のところどころに
ぽっこりと葉が茂る
根元をかきわけて見ると
私の甘っちょろい「花」の概念をゆさぶるような
地味な花が、一輪、二輪
こんな花に誰が訪れるのだろうと思うのだが
ちゃんと花粉を媒介する生き物がいるのだ
誰が花粉を運んでくれるのか、想像できる?
カンアオイの仲間は、地域による変異が多くみられ
地名のついた種がたくさんある
花粉を媒介するのはナメクジで
あの歩みの遅さを考えれば、
地域ごとに分化をとげるのも納得できてしまうのだ
Asarum tamaense ウマノスズクサ科カンアオイ属
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でかー!
1センチは大きいか、小さいか
意外に小さいと思うこともあるけれど
こういうのに出会うとやはり大きいとと思う
8ミリ~12ミリ、日本最大のアリ
女王アリには3センチにもなるものがあるんだそうだ
Camponotus obscuripes アリ科
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1年ほど前、クズのツルのところいるこの虫と
初めて出会ったときの驚きは忘れられない
「鳥の糞が動いた!」
ゾウムシの仲間は、外敵から身を守るのに
葉の裏などに身を隠すものが多いが
この虫はじっと動かないままやり過ごす
もちろんツルの反対側にくるりと回り込んだりもするのだが
さらに近づくと、突然ぽとりと下に落ちる
草むらに落ちてしまえば、行方はもうわからない
派手に飛び去るでもなく、攻撃するでもない
何やら、哲学めいたものすら感じさせるではないか
体に似合わず不格好に長い足は
平らな地面を歩くためではなく
クズのツルを抱えるのにジャストサイズ
ツルが裂けている部分はおそらく別のカップルの産卵痕
Mesaicidodes trifidus ゾウムシ科
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似たようなのにスキバジンガサハムシ
というのがいるけれど
私には区別はムリ
これも、もしかしたらジンガサハムシじゃないかも
背中の金ぴかのところが黒い個体もいる
アリの攻撃には、「伏せ」の姿勢で徹底抗戦
食草はヒルガオ
Aspidomorpha indica ハムシ科
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ジンガサハムシの仲間は不思議。
いやな相手に出くわしたら「伏せ」の姿勢でやり過ごす
図鑑で初めて衝撃の出会いをしてから1年
この世のものとは思われない風貌だけれど
動きを見ていると、結構ユーモラス
この虫を見かけるのは、いつもムラサキシキブの葉の上
きっとお気に入りの食草なんだね
Thlaspida biramosa ハムシ科
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メスはエゴノキの葉でゆりかごを作る
鼻がこんなに長いのはオス
まるで工事現場のクレーン車
Cycnotrachelus roelofsi オトシブミ科
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バラの葉でゆりかご作成の準備中
主脈を残して葉に切れ目を入れ、
主脈にも傷をつけて葉がしおれるのを待つ
写真は、葉を真ん中から折りたたんでいるところ
巻き始めたら途中で卵を産みつけて
30分くらいで巻き上がり
足は、黒いものと褐色のものがいるらしい
Apoderus erythrogaster オトシブミ科
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種子のたっぷり入ったがま口をぱっくり
そんなに大口開けて、がははと笑ったら
春に咲いた可憐な花のイメージが台無し
Gentiana zollingeri リンドウ科リンドウ属
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キブシの葉の上にいたところを
ちょっと失礼して、パチリ。
ごめんね。
Apoderus balteatus オトシブミ科
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中央分離帯だとか、歩道脇の植え込みだとか
かなり条件の悪いところで、勢力拡大中。
花弁4枚のうちの2枚がはがれて
中身が丸見え。
Papaver dubium ケシ科ケシ属
(帰化植物)
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ニッポンヒゲナガハナバチ(Tetralonia nipponensis)か
シロスジヒゲナガハナバチ((Eucera spurcatipes)。
素人目には判別がつかないのだとか。
こんなふうに触覚が長いのはオス。
コシブトハナバチ科
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「ジョウカイボン」という名前の虫がいるのだそうだ。
でも、そういわれて認識できるようになると
けっこう目につく。
他の昆虫を捕食する肉食昆虫。
ちょっとだけにらめっこ。
Athemus suturellus ジョウカイボン科
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Polygonatum lasianthum ユリ科アマドコロ属
雑木林のなかにひっそりと。
こんなふうにありたいと
思ってはみるものの・・・。
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Dactylis glomerata イネ科カモガヤ属
スギ、ヒノキが終わったと思ったら
今度はイネ科の雑草の花粉が襲来。
このカモガヤは、私の天敵のひとつ。
オーチャード・グラスの名で知られる牧草。
(帰化植物)
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Valerianella locusta オミナエシ科ノヂシャ属
ヨーロッパではサラダ用に栽培されるのだそうだ。
(帰化植物)
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4月26日(火) 晴時々雨
いつの間にかツグミは姿を消し
カワラヒワが集まって
フィリリリ、フィリリリと鈴をころがす
春雷の空が明るみ、借りた傘を閉じる
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4月25日(月) 曇時々晴と雨
あれ、どこにいったかなー。

んー、ないなあ。

えー、どこいっちゃったんだろう。

もう、あたまんなか、ぐちゃぐちゃだ。
あれっ?

あったー!

ミツバチくん、さがしものがみつかってよかったね。
何をさがしていたのかな。
(写真は、ニホンミツバチ。多分。自信はありません。
セイヨウミツバチは胴体がもう少し黄色っぽいかと。)
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4月24日(日) 晴

クロスジギンヤンマが空を見上げる
脱ぎ捨てた鎧のそばで
そのままぶら下がっている
羽がうまく伸びなくて
飛ぶことができない
あの空を自由に旋回するはずだったのに
誰よりも強い存在となるはずだったのに
身を隠すことすらかなわぬまま
ただこうして空を見上げている
やさしく美しい春の空を
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4月15日(金) 晴

桜が咲くまで気づかなかった小さな祠
降りしきる花びらに
嘆息をもらしながら石段をあがる
ここにいるのはわたしひとり
いまここで このときに
この花びらたちが散っていくのを見ているのはわたしだけ
絶えることなく散り続ける花びらたちは
永遠というものの象徴のようでもあり
止まることのない時の流れのようでもある
心地よいパラドクスに身をゆだねていると
ファウストのあの最後の台詞が
唐突に口の端に浮かぶ
「時よ、とどまれ、おまえはじつに美しい」
柄にもない感傷を振り払い
アオガラ(Blaumeise)に定冠詞をつけてみたりしながら
彼方に吸い込まれていく時のかけらたちを見送る
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4月7日(木) 晴
きのうの暑さに春が急加速して
街路樹の桜は、もう満開だ。
ソメイヨシノとは違う、濃い紅色が
少し青みを増した空色に映える。
こんな日にカメラを置いて家を出るなんて!
バスの窓から目に入ったレンギョウに引き金を引かれ
きのうのつづきの黄色を数え始める。
ヒュウガミズキと同じレモン色のトサミズキ、
通り沿いの家々の、花壇パンジー、
奔放に枝を伸ばしたヒメエニシダ。
陽気に誘われてひらひら舞い始めたモンキチョウ。
小学校の脇に植えられたミツマタの、
球のような花に心が弾む。
始業式帰りらしい中学生たちが、数人、
門の外から校庭をのぞき込んでいる。
ついこの間まで、この小学校にいたのだろう。
先輩風を吹かせても、みんなヒヨッコ。
きみたちのくちばしは、まだまだ黄色いよ。
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4月6日(水) 晴

交通ルールに従って
いちいち黄色のところで足を止めていたら、
バスで5分ちょっとの駅までの道のりが
徒歩でたっぷり1時間に化けてしまう。
タンポポ、ジシバリ、ハルノノゲシ、
誇らしげに咲くラッパズイセン。
レンギョウの燃えるような黄色に
ヒュウガミズキの淡いレモン色。
やわらかな、ヤナギの花。
お日さまの光をぐんぐんと吸い込んで
街にぽかぽか陽気を呼び込むのだ。
きれいに整列したキブシの花房は、
清楚な乙女の春のかんざし。
鈴のようなコロコロとした声を立てながら、
カワラヒワが、茶色の衣の下に見せる色。
シジュウカラの背中。
つがいのカルガモのくちばしの、先っちょ。
ヒーヨチャン、ヒーヨチャンと
ヤナギのてっぺんで自分の名を呼ぶ
いつもの鳥の声まで、今日は黄色い。
会えなかったキセキレイのことも考える。
沈丁花の甘酸っぱい香りが
つん、と鼻腔の奥に沁みていく。
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3月30日(水) 晴時々曇

土をつつくツグミの足元から
ツクシがつくつく顔を出す。
たくさんのアリが往き来する。
オタマジャクシが元気に泳ぐ。
エナガもシジュウカラもヤマガラも
みんな、みんな、せわしない。
私だけ、池のほとりでぼんやりと
空の向こうに思いを馳せる。
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3月20日(日) 晴のち曇

まだ雪深い山あいの寺で、
黙々と墓前の雪を踏み固める。
「老い」という言葉をふりほどくように。
国道8号沿いの、少し土のみえ始めた田んぼで
冬越しの鳥たちがエサをついばむ。
車窓から見える鉛色の空を、
ハクチョウたちが隊列を組んで海のほうへと行く。
しなやかに、そして、力強く。
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3月16日(水) 晴

久しぶりにカメラを持って公園に出かける。
卵からかえった1センチたらずのおたまじゃくしが
ちろちろと動き回ったりしている。
あちこちで芽吹いた春は、
いつのまにか
もしゃもしゃになっている。
春は、こんな表情をしていたり

こんな感じで

はたまた、こんな感じで両手を挙げていたり

こんな色をしていたり

じゃんけんの「あとだし」をしたり、
さりげなくアブラムシがくっついていたり

こんなふうに絡み合ったりしている。

埋もれていた去年の春の記憶が
落ち葉の下からよみがえってくる。
今年は、くしゃみのおまけつき。
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3月15日(火) 晴

お空と同じ色をして
春はこうして笑っている。
お花と同じ春色の
明るい空を見上げたら
ツグミも小枝で小首をかしげて
何やらずっと思案中。
北の国から呼ぶのはだあれ?
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3月8日(火) 晴

さっきから、エナガが添え木の隅をつついている。
くちばしからはみ出た綿はどうやらクモの巣。
これでかわいらしい丸い巣を作るのだろう。
いのちのはぐぐまれる春が
こんなところにも見つかった。
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3月4日(金) 雪
おひなさまをすぎたというのに、一面の銀世界。
どこへも行かずに、ツグミの名前などを考える。
ツグミには、
群れで暮らすものと1羽で暮らすものがいて
それは、餌事情によるのだそうだ。
いつも、同じ場所で見かけるツグミたちは、きっと後者で、
そこをなわばりにしているのだろう。
ツグミがなわばりを持つのか図鑑には書いてないが。
郵便局のそばの空き地にいるのは、「きょんた」
研究所の近くの芝生にいるのは、「けんた」
ツグミたちには、何も話してないけれど。
一面の雪の中、
たくさんの「きょんた」や「けんた」たちはどうしているだろう。
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2月22日(火) 晴
枯れ草の日だまりで、ツグミが餌を食む。
チョン、チョン、チョンと、数歩進んでは
ついっと、胸をそらす。
ツグミのまなざしのその先には、
明るくて軽い、春の青空。
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2月20日(日) 雨
天気予報がはずれて、動物園はとても静かだ。
人に連れられて園内を歩き、
野鳥の標識調査の様子を見せていただく。
小枝からぶら下がった小さな布袋から
真新しい標識をつけた小鳥たちが現れる。
シジュウカラ、アオジ、ガビチョウ、
それから、2羽のヤマガラ。
「持ってみますか」と聞かれ、おそるおそる手を出す。
教えられたとおりに、
人差し指と中指でヤマガラの首をやさしく挟み、
手のひらと残りの指とでからだを包む。
小さな命は、ふわふわとして頼りなく、
胸がキュンと締め付けられるほど切ない。
くちばしとつぶらな瞳をのぞかせて
私の左手の中でじっとしている。
巨大な生き物に捕まった小鳥の胸中に思いを馳せ
せめて、暖かな手のひらで包んでやりたいと思うのに、
霧雨の中を歩き続けた私の手のひらは、
手袋をしていたのに冷え切ってまるで氷のようだ。
小鳥の体温と、早鐘のような鼓動が
私の心臓にも伝わってくる。
「放鳥してみますか」との声に、
もう1羽のヤマガラを抱いていた若い女性と
声を掛け合うように、同時に手のひらを開く。
小鳥が飛び立つと、
彼女の顔がほっとしたようにほころんだ。
私のヤマガラは、近くの小枝に止まった。
ふたたび歩き出しながら、私は何度も振り返る。
心臓が、まだドキドキしている。
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2月16日(水) みぞれ、雪、雨のち曇
みぞれが降ったって、
みぞれが雪に変わったって、
やんだあとの風が冷たくったって、
5時半過ぎても空が明るいからうれしい。
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2月9日(水) 晴

車で出かけた公園の池では、
ちょうどカワウが営巣を始めていて、
真っ白になった冬木立はずいぶん騒がしい。
首のあたりを婚姻色に染めたのが、
魚を捕っているのか巣材を集めているのか、
濡れて重くなった翼を一生懸命動かして
水面すれすれを飛んでいく。
少々グロテスクなイメージのあるウだけれど、
フロリダの大湿地帯で見たミミヒメウの
ビー玉のような人なつっこい目とともに、
「けなげ」とか「いとおしい」という言葉を
手のひらで転がしてみる。
空気がほんのちょっぴり冷たいだけで、
青い空にのびる木の芽の勢いも、日の光の色も
春のものに、もう間違いない。
何度か出会ううち、シロハラにも慣れてきて
背中の、薄赤茶色ともオリーブ色とも言い難い、
一見地味だが美しい羽色にも目が行くようになった。
植え込みの角を曲がったところで、また出会う。
突然現れた私に死ぬほど驚いたのか、
相当に狼狽した様子で、
「きゃきゃきゅきょぴー!」と、
わけの分からない声を発して行ってしまった。
そんなにびっくりさせてしまったなんて、
ちょっと申し訳ないような気持ちだ。
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2月7日(月) 曇
実家の庭には、つがいのメジロがやってくる。
お隣の椿の花の蜜を吸うついでに、立ち寄るらしい。
母は、野鳥が好きなのだけれど、淡泊な性質(たち)で、
どうしても野鳥を自分の庭にひきつけたいとは思わないらしい。
母によれば、メジロはリンゴは食べないのだが
「だったら、ミカンを置けば?」と言うと、
「今年はミカンは腐らなかったから」などと返事をする。
うちのメジロたちは、腐ったミカンにしかありつけないようだ。

ツグミは、最近、「スズメみたいな鳥」から昇格して、
梅の木の根元でともに食べ物を探す初見の鳥が
「ツグミみたいな鳥」と表現されるところまできた。
いつか、「シロハラのおなかを赤くした鳥」
なんていう使い方もしてみたい。
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2月2日(水) 晴

ウスタビガの繭を見つける。
鮮やかな薄緑が青空にまぶしい。
もう、この繭は空き家らしい。
夏前に繭にこもり、秋に羽化。
羽化後すぐに交尾して、
メスは自分のすごした繭に産卵し、命を終える。
この美しい造形物は、彼女の生きた証。
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2月1日(火) 晴

青空にのびやかな白梅の枝。
並木道で気持ちよさそうに羽繕いするヒヨドリ。
池から顔をのぞかせていると噂の近所のカエル。
マンションの谷間の刺すような寒風に、
ヤマガラが、口をとんがらせて
フィーフィーフィーフィーと異議申し立ているけれど、
やっぱり、春は少しずつ近づいてきているのだ。
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1月17日(月) 晴

動物園のオウムのえさ台には
ヒマワリの種がいっぱいあって、
野鳥たちもご相伴に与る。
今日は、鳥日和。
ぴかぴかの青空にのびる小枝から、
ヤマガラやシジュウカラが
はらはらと降ってくるのがうれしくて、
いつまでも、いつまでも
ぽかんと口を開けてながめている。
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12月10日(金) 晴

ミノムシが風に揺れている。
メスのミノガは、この家の中で一生を暮らす。
オスの訪れを待ち、ここで卵を産むのだ。
貴女は空が恋しくなったりはしないの?
地に足をつけてちゃんと生きなくちゃ、なんて
悩んだりすることはないの?
いや、彼女は彼女の生を全うしているのだ。
風に揺られているのは、たぶん私のほう。
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11月13日(土) 曇

木枯らしは、夜半のうちに吹いたようで
空は低いけれど、穏やかな日。
脇目もふらずに歩くはずだったのに
団地で遊ぶヤマガラに足を止めてしまう。
2羽、3羽と、私をからかうように
目の前をぴょんぴょんとはね回る。
カメラを手に、私は振り回されてばかりで
生け垣とまだ葉の落ちきらぬ木とを交互に見やる。
小学校のグラウンドにひびく子供たちの声.。
その隙間をぬうように、コツコツと枝を穿つ音。
シジュウカラたちとともによく通る声でさえずると、
ほんの僅かずつ、雲が晴れていくような気がする。
切り揃えたおかっぱ頭のようだった造成地のススキも
ずいぶんと不揃いになってきた。
そんな、11月の土曜日の午後。
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11月10日(水) 晴のち曇
夜の湿った空気の中を歩く。
ただ歩くためだけに、歩く。
前だけを向いて歩こうとしても
やっぱり、あちこちから気配が漂ってくる。
暗がりに浮かぶ薄紅の薔薇の花や
妖しい静けさの雑木林の闇。
足下では、枯れ葉がカサカサと独り言を言いながら
近づいては去っていく。
裏山に風が渡るときに聞こえるざわめきは
木々がささやきあっているのではなくて、もしかしたら
一枚一枚の葉が、それぞれ勝手に独り言をつぶやいている声なのかもしれない。
またひとつ、葉の落ちる音がする。
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10月19日(火) 雨
嵐の前に、静かに雨が降る。
喜びや憂い、失望も野心も
木々の色づき始めたこの街も
遠くの諍いも、争いの火種も
すべて包み込むように。
優しく、柔らかな雨が降る。
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10月18日(月) 晴
石畳の日だまりの上で
ニホンカナヘビが体を温めている。
近づいて様子を見ると、
まるでスローモーションのような動き。
晩秋に近づきつつあることを感じさせる
ぴんとはりつめた秋の空気が、少しゆるんで
その隙間に、草の匂いと土の匂い。
明日は多分、優しい雨が降る。
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10月17日(日) 晴
今日の月は月齢3。
十五の誕生日に、
眠り姫の手のひらを貫いた糸巻きのよう。
見る者を誘い込むような輝きで
鋭く、冷たく、南西の空から私を見つめる。
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10月15日(金) 晴
遮るもののない空から逃げるように、木立の中に入る。

あまりに久しぶりだし、
雲がひとつもなくて、つかみどころがないので
どぎまぎして、せっかくの青空から目をそらしてしまう。
林を抜けても、足元ばかり見ている。
可憐な花を咲かせる、ミゾソバ、サクラタデ。
日の光を受けて鈍く輝くヤマノイモのムカゴ。
雨の後、にょきにょきと顔を出しているキノコ。
池の端には、カワセミが2羽。
今日の青空よりも、ずっとずっと碧い。
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10月14日(木) 曇一時晴

重たかった空がようやく軽くなって
雲が少しだけとぎれる。
駅前の、フォルクローレの調べが
小さな青空めがけて駆け上がっていく。
訪れたこともないアンデスの空に思いを馳せる。
猛禽になった私は、ゆったりと羽を広げ
吹き上げてくる風に乗り、高く舞い上がる。
高度5000メートルのところで、くるりと旋回する。
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10月9日(土) 雨
風雨がひどくなる中を、少年が出かけて行く。
台風の訪れにわくわくしているような表情。
部屋の中で嵐の音を聞いているのが好き。
期待と畏れと、そして不思議な安堵感。
猫たちと暮らす作家の本を読みながら
猫のようにまあるくなって、
午後のひとときを、眠る。
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10月4日(月) 雨
あいかわらず降り続く雨の中
どこかへ逃げ出した言葉を探し歩く。

雨に濡れるコスモスが、
昨日と変わらないはずのコスモスが
今日は光の粒を戴いている。
やはり言葉は見つからないけれど
北東の空が少しだけ明るくなった。
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10月3日(日) 雨

しとしとと雨が降る。
しとしとと降り続ける。
降る雨を眺めながらぼんやりとする。
ものを想うでもなく、ただぼんやりとしている。
気がつけば頭の中は空っぽ。
私の心も、空っぽ。
流されていった私の言葉は
雨が止んだら見つかるだろうか。
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10月1日(金) 晴

昨日は台風一過で
風がびゅうびゅう吹き荒れた。
今日は穏やかに
さわ、さわ、さわわ
ざわ、ざわ、ざわ。
雲ひとつない空に
ぽつんと1匹、赤いテントウムシ。
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9月27日(月) 雨

土曜日に降り始めた雨は、まだ止まない。
ススキと一緒に、私もうなだれる。
サルスベリの枝先にとりのこされた夏と
ハコネウツギに間違えて訪れた初夏が
身を震わせている。
明日は晴れるだろうか。
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9月20日(月) 曇ときどき晴

セイヨウタンポポの花がふたび目につくようになり
羽をボロボロにしたベニシジミも
精一杯踏ん張って蜜を吸う。
痛んだ羽の似合わない、蒸し暑い1日が暮れる。
橋の欄干、街路灯の明かりの下では、
アオマツムシが薄緑の羽を擦り合わせて
小さな体で力強い音をたてている。
彼が叫ぶ愛を、誰が受け止めるのだろうか。
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9月18日(土) 曇

いつのまにか茶色くなったどんぐりに
後羽をかたっぽなくしたオナガアゲハ。そして、
調子の外れたツクツクホウシ。
久しぶりに「彼女」に出会った。
彼女は、私の目を見ながら「なー」と鳴く。
「なー?」と聞き返す私は、けれど、彼女の言葉を理解しない。
姿だけでも写したくて、カメラをとりに戻ろうとすると、
彼女は、私と意思の疎通をするのは無理だと思ったのだろう、
もう一度「なー」と言ってからマンションの裏手へ去った。
その後ろ姿に胸を突かれる。
やせっぽっちだった彼女の両の横腹の、
身の上に起きた事を確信させる不思議な丸み。
重たげに腹を左右に揺らしながら歩く。
彼女たちに餌を与えている人間は
本当に彼女たちのことを愛しているのだろうか。
その先のことに、真剣に思いをめぐらせているのだろうか。
彼女にふたたび宿った小さな命が
無惨に散っていくかもしれないと、
そして、自分がそのことに荷担しているかもしれないと、
はたして考えたことがあるのだろうか。
これは、愛の名を借りた虐待ではないのか。
笙野頼子が『愛別外猫雑記』で言うように、
病的な猫嫌いと無責任なだけの猫好きとは
結局、同じなのかもしれない。
たしかに、どちらも猫を種としてしか見ていない。
個としての先行きなど考えてもいないのだ。
振り返らない後ろ姿を見送りながら、
作家の言葉を反芻してみる。
「彼女」があのとき私に言いたかったことは、
私にはわからないけれど。
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9月10日(金) 曇ときどき雨
小淵沢の宿に泊まっているのは、私たちともう1組だけ。
でも、夕方と早朝には小さなお客さんたちが顔を出す。
ヤマガラはとても人なつっこい。
何度もやってきてヒマワリの種をついばんでは
あの愛嬌のある表情で首をかしげる。
かわるがわる現れるシジュウカラ。
アカゲラのオスとメスが交替でやって来て
テラスのむこうの太い幹にあけた穴を
黒いくりくりとした瞳でのぞき込んでいる。
私の気配に気づいたニホンリスは、
慌ててテラスの端に駆け上がり、ジャンプして
林の中へと逃走していった。

ススキの穂が伸びて、すっかり秋めいた道を踏みしめる。
べそをかき始めた空をうらめしく見上げながら、
私たちは、まだ夏の残る街へと帰るのだ。
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9月9日(木) 晴
早起きをして、小鳥たちに会いに行く。
車の来ない道路の真ん中で、双眼鏡をのぞくと
シジュウカラやコガラが朝の食事をしている。
むくむくとした体躯のマルハナバチは
花から花へと、忙しく飛び回る。
アザミの白い花粉にまみれた姿は、
顔一面を粉砂糖だらけにしてはしゃぐ子供のようだ。
朝食をすませて、白駒池へ。

池の周りの原生林を歩く。
木漏れ陽と戯れながら、優雅に舞うアサギマダラ。
枝の上から、一瞬こちらを振り返るホシガラス。
ミソサザイは、ステップを踏むようにあちらの茂みへ。
木立の足元には滑らかな苔のじゅうたん。
からだ全体で、深呼吸を、する。
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9月8日(水) 曇のち晴れ
車山にはめったに来ないという強い嵐がひと晩吹き荒れる。
朝ごはんを食べる頃には太陽も顔を出したけれど
それでも、台風がしっぽを振るたびに
びゅうう、びゅうう、と、山が音をたてる。
八島が原湿原を歩く。

強い風の中、ヒョウモンチョウもクジャクチョウも
飛んでいるというより飛ばされているようだ。
夏の終わる高原で、ボロボロになって蜜を吸う。
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6月12日(土) 曇ときどき晴
帰り道に出会ったゾウムシ。
ハルジオンとバトンタッチするように咲き始めたヒメジョオンから、差しのべた私の手へ。おしりはゴツゴツして、小さな殻つき落花生のよう。

こんな虫がいるなんて、この間までぜんぜん知らなくて。
確認されただけでも日本に1000種類以上いるというゾウムシに、ちょっとはまってしまいそうな予感。
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6月11日(金) 雨
天気予報では午前中は降らないと言っていたのに、早朝から小雨。
早起きして傘を差してのおさんぽ。

ハコネウツギの花の中にいたちいさなゾウムシ。
手すりの上にいた、今日のオシャレさん。

きみは、大きくなったら何になりたいの?
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6月10日(木) 曇ときどき晴

長池公園にはコウゾの木がたくさん生えています。
和紙の原料のコウゾ、ミツマタのコウゾ。
実は熟すとこんなふうにぷくぷくに。おいしそうでしょ。
撮影後、お口にポン。ごちそうさまでした。
小さなバッタたち。

カマキリ。チビのくせに気が強いです。
睨むなよ~。

ショウリョウバッタかな。

何だろう。とってもきれいな色。

トノサマバッタかしら。
まだ羽も生えていないのに、ぴょんぴょん。
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