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Ne furtum facias.

たとえ石ころのようなとるにたらないものでも
まだ形になっていなくても
そこに名前が刻印されていなくても

それが私のものだということを
あなただってよくわかっているでしょう

わかっていながら どうして
我が物にしたり
踏みつけにしたりを
繰り返すのでしょうか

最初は驚愕した
その次には傷ついた
それでも許そうと努力した
また次に 今度は怒りに震えたときには
記憶違いかもしれないと思おうとさえした

でもやはり 私はあなたを許せない
私の掌中の珠を奪い続けたあなたを
どうしても 許すことができない

そして

許すことのできない私にできるのは
貝のように口を閉ざすことだけ
宝物を視界から遠ざけておくことだけ

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セグロセキレイ

5月26日(金) 曇

セグロセキレイの小さな骸(むくろ)が
コンクリートの階段の片隅に
ぽつんと横たわっている
重いのか軽いのかよくわからないその重みを
大木の根元に運び
乱れた羽毛を枯れ葉でなでつける

閲覧室でホオノキの香りに包まれて本を読む
あの骸がちゃんと土に還れるように
命の環がつながるようにと祈る午後

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ワカバグモ

5月17日(水) 曇のち雨

オスを捕食するワカバグモのメス

愛を交わした男の亡骸を
抱き貪る

Oxytate striatipes カニグモ科

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ジョウカイボン

5月10日(水) 雨のち晴のち雨

ジョウカイボン

なにしてるの?

Athemus suturellus suturellus ジョウカイボン科

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カラスアゲハ(メス)

5月3日(水) 晴

カラスアゲハのメス

初夏の日差し
衣ずれの音

林縁を優雅に舞う彼女の眼中に私の姿はない
そして私は
息をのんでただその姿を見つめているだけ

Papilio bianor dehaanii アゲハチョウ科

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踏み台

5月2日(火) 曇のち雨

そんなこともわからないのだろうか

人なつっこく見せかけた笑顔の奥の瞳は
笑ってなどいない
呪文のように繰り返し唱えられる
口当たりのよい一般論
言葉だけなら
口先だけなら何とでも言えるというのに

冷たい雨が降り続いている

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